「悪いけど、今取り込み中だからさぁ。他当たって」


苦虫を噛み潰したような顔で、シッシッと両手をひらひら。


しかし彼らのメンタルもなかなかタフで、めげずに距離を詰めてくる。


「取り込み中って。ベンチでくつろいでるだけじゃん」

「あはは、君面白いね~」


いやいや全然面白くないし。


多分、立ち上がると同時におえげろだぞ?


「ほーら。つれない態度はその辺にして、俺らとイイコトしよーよ」


ぐいっと腕を引っ張られる。


うっ…やばい。吐く吐く、吐くって!


と、ガチで青ざめてしまった時。


「──おい」


背後から聞こえてきた低い声。


まさか、なんてもんじゃない。確実にあの方の気配 (殺気とも言う) を感じる。


あらら。これはマズいね。


下手したら血の雨が降るんじゃないかな。