いたって平々凡々なベンチから放たれる、目の毒感たっぷりなピンクオーラに害されたらしい通行人の皆様が、物珍しげにチラチラと好奇の視線を送ってくる。
いやはや、なんたる羞恥プレイ。
先輩の肩はがっちりしてて心地いいけど、ぶっちゃけ居心地はすこぶる悪い。
さすがの女勇者ナカザワも、これには迷うことなく『にげる』をセレクトしたいところだ。
「あ、あの~……そろそろ離していただけないでしょうか……」
思わず敬語 (しかも超しどろもどろ) になりつつも、どうにかこのいたたまれなさを意思表示。
しかしアッくん先輩は、あたしの頭に乗せた手にさらにグッと力を込めた。
「ダーメ。そう簡単には離さないよ」
体勢的に表情は読みとれないけど、その弾んだ物言いから彼が笑っていることを知り。
相変わらずの小悪魔っぷりに、ボフンと顔から火を噴きそうになった時──
「……やっと2人きりになれたな」
至近距離でため息混じりに吐かれた台詞に、例のごとく体温が急上昇。
あーもう、ホント何なのこれ。
誰かこの甘々王子を止めてちょーだい。

