「な、何かって言われましても……」
「人が真剣にお礼言ってんのに、なに黙ってんのよ!」
「は? お礼?」
「今、ありがとうって言ったでしょ! まさか聞いてなかったわけ!?」
「うーん……聞いてたような聞いてなかったような」
「サイッテー! やっぱあんた嫌いだわっ!!」
プイッと顔を背け、ぷくぅーとほっぺたを膨らませる彼女。
さながら、思春期を迎えた女児のようなリアクション。
見た目よりかなり子どもっぽいキレ方に、ポカンと開いた口から苦笑が漏れた。
「うーむ……」
さて、どーする中沢。
新たな試練『ツンデレお嬢ちゃまのご機嫌とり』が発生したぜよ。
保育士志望でもないのに、よもやこの年で子守とは…。
いっそ、小さい頃あたしの面倒をみてくれた兄者みたいに、地獄の筋トレでもさせてみようか (キリッ)。
いやいや、それやっちゃったらガチでエルボーくらいかねんな。
うーん。マジでどうしよ。
などと、またまた無い頭をひねっていると──

