それから数時間が経ち、辺り一面茜色に染まり始めた頃。
「そろそろ、お開きにしましょうか」
ホラーハウスでキャーキャー叫びコーヒーカップで (まさかの) めまいを引き起こし、すっかり生気を失ったザンネン美少女フェイスでそう切り出した新カノさん。
「……だな」
それに同調するのは、先程ゴーカートで先輩に惨敗を期したどこまでも敗者な元彼くん。
せっかくの遊園地デートだというのに、2人揃ってお通夜みたいな暗い表情。
これじゃ遊びに来た意味がないのでは……?という疑問はひとまず苦笑の裏にしまい込み、あたしはハイッと片手を挙げた。
「じゃあさ、シメに観覧車でも乗んない? 今、結構空いてるし」
少しでも和気あいあいな空気になれば、という親切心からの提案に、Wデート決定直後のあたしより負のオーラむんむんのブラックカップルが嬉しそうに頷いた。
「そうね。元カノさんもたまにはいいこと言うじゃない」
うん。相変わらず失礼だなキミは。
「中沢にしちゃ気が利くな」
うん。少なくともアンタよりはね。
などと心の中で憎まれ口を返しつつ、あたしはまたクスクス笑ってるどこまでも笑い上戸なアッくん先輩の手を引いて、観覧車の方へとずんずん歩き出したのだった。

