「……ま、いっか」


深く考えると知恵熱出ちゃうし、四の五の言わず彼氏の優しさに甘えちゃおっと。


そんなことを思いながら必死に吐き気と闘う女勇者ナカザワの前で、ザッ…と砂を踏みしめる音が響いた。


「ハァ~イ♪  君、一人なの?」


見りゃ分かんだろ、と内心ツッコんでしまったのはナイショ。


何奴! ? 的なノリで顔を上げれば、モヒカン・金髪・オレンジ頭の、いかにも感MAXな不良3人衆が視界に入った。


「おっ。すげぇ可愛いじゃん」

「ラッキー♪」

「ねぇ君、暇なら俺らと遊ばない?」


うわ。ナンパかい。


初対面でこんなこと言うのもなんだけど、あんたら相当な物好きだね。


こんな青白い顔してあぶら汗かいてる女のどこがいいんだよ。


理解不能すぎて笑える。


いや、吐ける。