「だっておいしかったんだもんさぁ」

「んー。まぁそれは認めっけど」

「でしょ? だからね、これはアレだよ。正当防衛だよ」

「うん。意味違うから」


そんなアホみたいなやりとりの末、とりあえず先輩の肩を借りながら近場の公園へと移動。


大分黒ずんじゃってるザンネンベンチに腰を下ろし、うぅ~としかめっ面。


やばいな。マジ吐きそう。


胃の中でケーキとプリンがひしめき合ってるよぉ。


などと、微妙に気色の悪いことを心の中でぼやいていると──


「ったく、世話の焼ける子だね~」


苦笑いしつつのアッくん先輩が、そっとあたしの頭を撫でて。


「ちょっと待ってな。お茶かなんか買ってくっから」

「えっ、いいよ。そんなわざわざ」

「いーから。病人はおとなしくしとけ」


そんな男前な台詞を吐いて、先輩は風のようにその場を後にした。


うん。こりゃ当然胸キュンしますよね。


だがしかし、1つ聞かせていただきたい。


今のあたしって、 "病人" のカテゴリーに加わっちゃっていいのかな?


病院行ったら間違いなく追い返されると思うんですけど。