あーあ……

これ天気予報見る限り悪化するっぽいな……



景は女子寮の食堂の窓から

雨空を眺めていた



大粒の雨が窓に当たっては

弾けて音を立てる




14時23分


今頃、ほかの生徒は学科授業を受けている時間だ



「景、何ぼーっとしてるの」


いきなり女子寮の寮母長である母親から声をかけられ、景はくるりと後ろを向いた


「ママ」

「つまらない?」

「……え、う、ううん」


きっと、わたしにあまり元気がないことを分かっているんだろう

ママは無理して笑顔で首を振る私を見て、口を開いた



「…………伯父さん……校長先生が言ってたんだけどね。景が望むなら学科授業を受けても構わないよって」

「……そう、なんだ。やっぱ校長も、少しは罪悪感を感じてるんだね」

「もちろんよ」


私はそっか、と頷いた

でもそれだけで何も言わなかったから、きっとママは私にその気がないことも察しただろう


「まぁ、気が向いたら言ってくれればいいわ」

そう言って私の肩に手を置いた


「わかったよ」


私の言葉に笑顔でうなずくママ


私はそんなママから目線を空に移し、ため息をついた


「天気予報ではさらにこの雨悪化するって。私外に出てる植木鉢とか非難させて来るね。あと大きいマットとかある?」

「ありがとう、助かるわ。マットは確か倉庫にあったかな……。後で持ってくわ」

「ん、了解」


こうして私は、何か寂しさがまぎれるのも期待して


仕事をしに寮の外へ出た