先程から景は

寮の自室から空を眺めていた



夜7時

いつもならこの時間帯は皆と食事をとっていたころだ


皆はちゃんと食べてるだろうか


まぁ......斎藤先生がちゃんとやるとは思うけれど......


当の景は食事を摂る気にもなれず
こうしてぼーっとしているわけだが


なんだか考えれば考えるほどバカバカしくなって


でもやっぱり考えてしまって


あぁ、自分はあの居場所がとても好きだったのだと

そして、それはもう味わえないのだと痛感した



「だめだ........すぐ忘れられる。大丈夫」


目を閉じてそう呟いた時



窓の外に、とても会いたかった人影があった