「たっだいまー」

「なんだお前か」


その日、一番最後に男子寮Bに帰宅したのは咲夜で、その時もまだ景は男子寮Bにはいなかった


「なんだってなんだよライ」


「景ちゃんがまだ帰ってないから、珍しいねって話してたんだよ」

結斗が言った


「ふぅん?お菓子作りに必要な材料でも調達してんじゃねぇ?」

咲夜はコートを脱ぎながら首を傾げる


「でも、キッチンが驚くほど綺麗。使う様子が無い」

爽馬も心配なようだ


「......さあーー?心配だな......」


「だよね。クラスにはずっといたんでしょ、ライ」


「......いた............はず」



その時


ガチャリ




ドアの開く音がした