校長室から出て、私は後ろから声をかけられた


「笠上さん」

「......斎藤先生............」


私は複雑な気持ちで斎藤先生を見た


「何よ、そんな心配そうな顔しなくても大丈夫よ。ちゃんと寮母の仕事やるから、安心して」


笑顔で言う斎藤先生


まぁ、斎藤先生がしっかり寮母の仕事をやらないとは思っていないが......


「よろしくお願いします」

景は微笑んでから頭を下げた


「うん。笠上さんのこと、心配だったのよ。ああは言っても、やっぱり女子から囲まれて騒がれて......辛いんじゃ無いかってね」


「先生......」


先生のその気持ちはありがたい

しかし本当に余計なお世話だ


何せ本当に景はダメージを受けたわけでも何でもなかったのだから


「先生も、寮母の仕事で分からないことあったら聞いてください」


「分かったわ。ありがとう」


そう言って斎藤先生は廊下を歩いて行った