もう寮母じゃないんだ......急でごめんね

って


いやいやもっと明るく言うべき?


今日から皆と同じ普通の生徒だから!よろしくねー!

とか......


景がそんなことを虚ろな目で考えていたときだった


「じゃあ寮母、私がやりましょうか?」


そう言って一歩前に出たのは




副担任の斎藤マナだった


この人......一昨日の......



「斎藤先生が?」

校長が首を傾げる

「私、新任教師ゆえ、授業も行ってませんし。何より担任の水穂先生がしっかりしすぎといいますか、仕事もあまりないんです」


「私そんなしっかりしてますか......?」


「それに皆さんと違って仕事も簡単な事しかやっていませんし。とても余裕があるんです」


「じゃあ、仕事と寮母の両立ができるというんですか?」


パパの問いに、笑顔で頷く斎藤先生


周りの大人たちも、ふむ、と頷いた


「じゃあ、斎藤先生にお願いしましょうかね。男子寮Bの寮母長」


「頑張ります」


私はハキハキと喋る斎藤先生を、ただ呆然と見つめていた