「爽馬......ごめんねいきなり?」


謝りつつも、内心私は喜んでいた

四人の中で一番話したことが無くて


何を考えているのか知りたかったからだ



「気にしなくていいよ。あの3人と外に出ると、何かと女子も寄ってくるし面倒だったから」

爽馬はサラリと言った


「そ、そうだよね......!」


分かります!でも、きっとその女の子たちの一部は貴方目当てです


「だから、君が今回僕達と帰りたくなかったのはよく分かるよ」


そう言いながら、ゆっくりと瞬きする爽馬の姿が


とても美しかった


透明で透き通った肌に

柔らかそうな青みががった髪


大きくて艶がかった瞳と、長い睫毛

ほんのり桃色の唇



さすが妖狐だなぁ......


身長は170cmくらいだろうか?

高い位置にある爽馬の顔を、私はまじまじと見つめた


「実は見つめられるのは得意じゃ無い。なにかあった?」


得意じゃ無い、という割には淡々と言う爽馬に私は尋ねた


「ねぇ、学校生活や寮生活は、楽しい?」


その質問に、爽馬は少し首を傾げる


「さぁ。小学校から高校まで、特に学校を楽しい場所だと思って通ったことは無い」


そっか............


......学校に行くことって、意外と体力や精神力がいるよね。


「じゃあ寮は?」


「......分からない。でも、あの寮の居心地は悪くない」


爽馬の言葉に、私は顔をあげる


「......本当に?」


「うん?」


「......よかった......」


心底安心した表情の私をみて、爽馬はクスリと微笑んだ


......わ、笑った!!?


「あと、洋菓子が美味しいことも知った」

「お菓子?それって......デザート?」


「そう」


爽馬から褒められ、私はさらに嬉しくなった


もっとはじめから、たくさん話せばよかったのかもしれない

無表情でなに考えてるのかわからないと、どうして決めつけていたんだろうか