私は心の中で、このまま絆創膏を持って帰ってくれ......と願った


ベッドのシーツをぎゅっと握りしめる


しかしそんな願いとは裏腹に、カーテンの向こうで彼女たちは喋り出した


「てかあの犬、大丈夫かなぁ」


「ほんとそれ。ちょっとワンちゃん可哀想だったよ」



.....バカ!!


私が誰のために今まで2人に何があったかを話さなかったか!!


私の肩に肘をかけてくるライ


............!!

お.....重い.....


「蹴った有姫の足が出血してるんだから、蹴られたあのワンちゃんの方が怪我ひどいんじゃない......?」


「だよね〜、結斗君にバレたらなんか言われちゃうかもね〜」


「え〜〜、幻滅されたくなぁい」




横を見なくてもわかる


おい、どう言うことかあとで説明しろ

そんなオーラが伝わってくる



「確かに強く蹴り過ぎたわ。でも学校なんかにいる犬が悪いの。犬が嫌いな生徒だっているにきまってるでしょ?」


有姫は駄々をこねるように言った


「まぁ有姫の言ってることも分かるけどね」


「まあね。さ、貼り終わったなら行こう」


「うん」



こうして波屋有姫たちは、ドタドタと帰って行った





「......おい」


「............学校に、わんちゃんがいることもあるんだね」


「お前だろ」



ライが私の肩に腕を回して、こちらをガン見してくる