フワフワの黄色いオムレツに、コンソメが香るキャベツ入りのスープ


キノコと数種類のレタスを使ったサラダ


香ばしいくるみパン


イチゴの実をそのまま凍らせたデザート



四人の前に準備されたのは、健康的かつ美味しそうな昼食だった


匂いが鼻をくすぐり、お腹を空かせた彼らの食欲をそそる



「美味しそうだね、景ちゃんが作ったの?」


すらりとした長身

なめらかな白い肌に綺麗な目

色素の薄いサラサラの髪


どこか王子様のような雰囲気を纏った男子生徒、伊吹結斗はテーブルに身を乗り出して並んだ昼食を覗いた



「いやいや、まさか。メニューは他の寮と同じで、給食みたいに出来合を盛り付けただけです」


「なんだーー、まぁそりゃそーか」


明るくはねた髪を揺らし、布川咲夜も目を輝かせながらテーブルを覗く



一方で先ほどから整った顔を少し歪ませ、不満を露わにしている長身黒髪、火野ライ

そして警戒心むき出しで、氷の人形のような美少年、小高爽馬


この2人も匂いに釣られたのか、テーブルの元へ来た


「あ、でもデザートは私が作ったんです。もしよかったら食べてください」


私は自信なさげに照れながら言う


やっぱり自分の寮の寮母がこんなにも幼いのは不安だろうし、なかなか落ち着けないかもしれない


せめて、この寮に入れて悪くなかったと思ってもらえたらいい

そんな思いで私は食事にはこの寮にあるキッチンで作った、簡単なデザートを付けることにした



「まじ?すげー!」

「ありがとう、いただくね」

嬉しそうにテーブルに腰掛ける咲夜と結斗


「小高さんと火野さんもどうぞ」

「分かった」


爽馬が小さく頷いて腰掛けるのをみて、ライも腰掛けた