「うわぁぁあ、さっみー」


ウィィーンと開く自動ドアの向こうへ飛び込むようにして、咲夜が空港の中へと入る


2月の寒さはコートに覆われていない頬をピリピリと痛いほどに刺激した


「本当、この寒さはきっついね。景ちゃん、段差気をつけて」

「ありがと、結斗」


続くように結斗、景、市河、ライと空港の中に入り、その暖かさに一息つく


空港の中では、手続きを終えた爽馬が待っているはずだ


「ってかアイツ、空港ってどこまで飛んで行く気かよ」

「本当、外国にでも行っちゃうのかな。どこ行きの便に乗るんだろう」


そんなライと景の会話に、おや?っと咲夜が反応する


「あいつ実家が九州だか四国だか、どこだったかな。だからまずそこ行くんじゃねぇの」

「あー、なるほど」


景はふむふむと頷きながら、爽馬に指定された場所を目指して歩く


案の定、まわりの女性からは何の集団かとヒソヒソ話されており

やはり心苦しかったが


毎回こうなるんだよなぁ.....