「私ね」


驚く5人の前で、景は話し出した


「最初は爽馬が何考えてるのか全然分からなくて、ちょっと困ったんだ」


その言葉に、結斗はクスリと笑って頷く


景も結斗に笑い返し、そして爽馬を見つめて、彼の頬を両手で包んだ


「入学から7ヶ月経った今でも、私爽馬の考えてること全然分からないよ。今回の転校のことだって、全然分からない」


「景.....」

掠れた声で景の名をつぶやく爽馬

次に何か言おうとしたのかは分からないが、景が被せ気味に「でもね」と続けて、爽馬は口を噤んだ


「爽馬の考えてることは分からなくても、爽馬のことは分かるよ

爽馬が、この寮を好きで、みんなの事を大切に思ってくれてることを私知ってる。ライも結斗も咲夜も日向も知ってるよ」


はじめは驚き気味だった彼らも

名前を挙げられて顔を見合わせ


そして笑顔で頷いた


「そりゃ.....知ってるよそれくらい」

「素直じゃないね、咲夜?」