父親のごとく景の前に立ちはだかる、少しおかしなあの寮の面子が咲夜の頭に思い浮かぶ


その言葉に1組の連中もその光景を思い浮かべたのか、ゾクリと背筋を震わせた


「男子寮Bの魔術科組まじ怖えんだよなぁ。あの近づけない半端ねぇオーラ!」

「そーそー。初めて見かけたときなんか、この学校にアイドルが通ってんのかと思ったわ」

「イケメンを超越して次元が違うよなー。つかまじ惚れそうあの2人」

「このホモが」

「ノンケだわ」


ぎゃーぎゃーわーわーと、どこまでも楽しそうに騒ぐ彼ら

男子寮Bとはまたちがったこのクラスという居場所が、咲夜は意外と好きだった


「つか、あのイケメン達って景ちゃん狙いなの!?」


今更ながら驚いたように言う佐原に、咲夜は「えっ」と固まった


そんな咲夜を知ってか知らずか、藤原を中心に1組の連中はドッと笑い声をあげる

「まっさかー!どーせアイツらなんて読者モデルかなんか捕まえてるって」

「俺らなら可愛いと思う子だって、きっとアイツらには物足りないんじゃん?」