その日の夕方
私は男子寮Bのキッチンに立って、昨日仕込んでおいたプリンに生クリームを絞っていた
寮の皆もそれぞれ友達ができ、放課後は敷地内で遊んでいたようだが、もう皆帰って自室にいる
私も柊ちゃんをはじめ、何人か友達ができて安心した
まぁ、彼女には自分を人狼としか明かしてないのは不安だけれど
そんなことを生クリーム片手に考えていると、キッチンにライが入ってきた
「あ......ライ、ご飯まであともう少し待ってね」
「ああ......」
「どうかした?」
なんだかライは疲れているようだ
「あのさ、」
「なーー!景、腹減ったんだけど、て、何してんだライ?」
ライが何か言いかけた時、勢いよくキッチンに入ってきたのは咲夜
ライは開きかけた口を閉じて咲夜を見た
「......別に、飯までまだかかるってよ」
「?......分かった。んじゃ、テレビでも見て待ってようぜ。今日モノマネ特番やるし」
咲夜はくるりと踵を返し、ライの肩を抱きながらキッチンを出て行った
結局、ライは何か用事があったのだろうか



