彼は自分を除く男子寮B全員で夏祭りに行ったことに拗ねて、先程からずっと冷蔵庫の中でいじけていたのである

一旦木綿の姿で。


「咲夜、帰ってたんだね」

そんな彼を見て楽しそうに笑う結斗


冷蔵庫の牛乳のストックに覆いかぶさるように畳まれて入る咲夜を、風邪は引かないものかと景は多少、多少心配していた


「そんなに冷やされて俺が美味しく食べちゃうよ?出てきたら」

結斗は困った問題児を見て肩をすくめながら、冷蔵庫の中を覗いて言う


「るせーー」

一旦木綿咲夜はそれだけ言うと、また黙ってジッと動かない


「うわぁ睨まれてる」

「睨まれてるの?」

冷蔵庫を開けっぱなしにするわけにもいかず結斗はお構いなくバタンと冷蔵庫をしめると景に笑いかける


「そっとしといたら時間の問題で出てくるよ。明日から授業なわけだしね」


.....まぁ私もそこまで心配してるわけではないけれど

「そうだね」

「ん」

微笑む景にニコリと笑うと、結斗は景を抱き締めて顔を近づけた


「わぁっ!」

「それで奥さん、今日の朝ごはんは?」

「お、奥さん!?えええええとオムレツとかコーンスープがあるよ苦し......」

「可愛いね景ちゃんは」


もがく景の耳元にチュ、とキスする結斗


景もさすがに頬を赤くして「きゃ.....」と目をつぶる


そんな光景をキッチンに入ってきた市河が目撃した