人差し指を立ててニヒと笑うハルに、結斗が苦笑いする

ハルはまるで美音の顔を思い出そうとするかのように、穏やかな顔で空を見上げた


「美音ちゃん、すごく気さくで変な人だったんだなーこれが。私凄い彼女の事好きだったよ」

「そう.....でしたか。確かにお姉ちゃん、ちょっと変わってました」


景はあの頃の姉を思い浮かべ、クスリと笑う

確かに彼女は

他とは一風変わった人だった


ハルは言わないが、その性格のせいでイジメを受けたとも言える


きっとお姉ちゃんの事だから、そのイジメにも耐え続けていたのだろう


「美音ちゃんにね、言われた事があるんだよ。君が面倒くさい悩みを沢山抱えているのは、マトモに生きている証拠だって。自分の事をちゃんと考えようとしない人は、そんなに悩まないからって。

だから、私その言葉で.....。なんか、今抱えてる悩みも生きてる証拠かなって思う事ができたんだよね」


ハルはそう言って

胸に手を当てた


大事な心の中の思い出を触るように


胸に手を当てた