麻依は相変わらず気を失っている


「ただいま、景ちゃん。みんなも、このまま精気を吸い続けて狐を弱らせるしかないかと思ったけど、ライが来てくれて助かったね」


僅かに肩で呼吸をしながら安堵する結斗

そんな彼に、労いの代わりのようにライは毒づいた


「案外うまくいったとは思うけど、マジ何に巻き込まれてんだお前ら.....」

「でも僕の炎と竜巻だけじゃ無理だったから、ライが来てくれてよかった」

「俺に惚れてんじゃねーよ」

「別に」

「.....ありがとなお前ら、小椋を助けてくれて」


ライは結斗の腕の中の麻依と市河を交互に見てから

「へぇ」

とほくそ笑む

「感謝は終わりだお前あとでぶっ殺す」

「その透視だか千里眼で?」

「爽馬、もう一回火ぃ出せ」


そんな様子を見ながら、景はふふと笑って

やっぱりいいな、男子寮B.....
(注:1人いません)

そう思った


「さて、この狐の目が覚める前に退散しようか」

「だな」


そろそろ帰らなくちゃいけないしね!

結斗の言葉にみんなして頷く


そしてゾロゾロと屋台通りの方へ向かって来た道を帰ろうとしたとき

「あ、ねぇちょっと待って」

「景ちゃん?」

景はそう言って小走りに走り、落ちているとあるものを拾い上げた