同時に放たれた電流と炎は途中で合流して、一瞬にして狐の元へと届いた


もともと少なからず弱っていた竜巻の壁も難なく突破している


一瞬ではあるが炎の縄の中に、一筋の金色の光、つまり電流が通っているのを景はその目で確認した


まるで

まるで全身に電流が流れるように身体がジンジンと熱くなる


息を飲んで、呼吸をし忘れるような興奮が景の中を駆け巡った


凄い.....

魔術と妖術がタッグを組んで


一人じゃできなかったことを成し遂げる


いや

魔術だとか妖術だとか

そんなことは今関係ないのだ


いつも一緒に暮らす、ライと爽馬の阿吽の呼吸がことを成し遂げた


バチバチィッ!!

狐は感電したのか炎による小爆発のせいか、気を失って動かなくなる

竜巻の壁もシュルルと音を立てながら消えていった


その隙を逃さずに狐の背後から人間姿に戻った結斗が現れ

麻依を抱き抱えてこちらに持ち前の脚力で飛びながら帰ってきた


「麻依ちゃんっ、結斗.....!」