くんくんくん..........

タタタタタッ


くんくん..........



あれからひたすら麻依の匂いを辿い

雑木林の中を駆け抜けていた景の前に現れたのは


デカイ狐であった



「フヴァ!!?」

思わず変な鳴き声で驚くシベリアンハスキー姿の景

ななな何で狐がこんなところに!?


よく見ると狐の後ろの大木には目を瞑った麻依が寄りかかっており

狐はまるで捉えた獲物を渡さないとでもいうような眼で景を睨んでいた


ま、麻依ちゃん.....


この短時間で色々なことが起こったようで

しかもそれが普通の人間を巻き込んだ事件ときたものだ


早く麻依ちゃんを助けなきゃ!


でも、どっどうやって助けよう.....

景はポンっと人間の姿に戻ると、恐る恐る狐に近づいていった


「あの、こんにちは.....」


景が一歩一歩近づくたび、足元の草が音を立てる

狐は確か人の精気を吸い取ったりもするんだよね

気をつけなくちゃ


「あの、私、その子のお友達で」

「シャアアアァァアアアッ」

「ヒィッ!?」