『久しぶり、元気?俺は元気じゃないんだけど』
電話越しに聞く市河の話は、まるで意味のわからないものだった
何言ってんだコイツ
挙げ句の果てに市河は
『景たちがちょっと行方不明っていうか.....』
などと言い出す
行方不明……?
わざわざ電話で景が行方不明だとか伝えてくるあたり嫌な予感がする
ライは市河の説明に耳を傾けた
『ひょんなことから俺の実家、市河神社でやる夏祭りにBの奴らと来てんだけど、突然景と.....あとこっちの俺の友達がいなくなって。
爽馬曰く、悪い狐と書いて悪狐の仕業なんじゃないかって話で、実際俺が透視して悪狐が絡んでんのを確認した。
爽馬と結斗は変化して助けに行ってて、でも運が悪ければあの2人じゃキツイ。で、何もできねぇ俺はお前に応援要請の電話をしてるってわけだ」
そこまでの言葉をライは冷静な頭できくと、彼はパッと踵を返して走り出した
ライの脳裏に
景の明るい笑顔が浮かぶ
なにやってんだアイツ
景.....
なんでも良いから無事でいろ.....!
ライはゆっくりと向こうへ向かって歩いている隆太郎の肩を掴むと、グイッとこちらを振り向かせた
「わっ、なんだライ!?」
「お前言ったな、俺に出来ることはなんでもするとかどうとか」
「いっ、たけど.....」



