「う、うん分かった。視てみる」
ってあいつら、この林の中にいるとして、何で林なんかに足踏みいれてんだ........?
そう疑問に思いながら、市河は額から垂れる汗を拭い雑木林の方を向き、ゆっくりと目を瞑った
びゅうっと強い風が吹く
あぁ、爽馬の言う通り景と小椋はこの雑木林の中にいるようだ
ガキ(俺)の未熟な能力でも微かに分かるくらいには確かで
市河の瞼の裏に映る景は真剣な表情をしていた
麻依はというと、目を瞑っている?
まるで眠っているような顔をしているようだ
でもそれ以外は視えない
市河は目を開くと2人の方を見て
「あっち、南西の方向に多分2人がいる」
そう言って雑木林の中
南西を指差した
その瞬間、爽馬が微かな煙を立てて狐へと変化する
それは、市河も結斗も目をみはるほどの鮮やかな黄金色の大きな狐だった
透き通ったまるで爽馬の性格を表すような青い眼は、今は鋭くギラリと光っている
そして一瞬だけ結斗と市河を見ると、身を翻して雑木林の中へとものすごいスピードで駆けて行った
市河はその姿にあっけにとられている
そう言えば学科授業でも一緒になることなんてないし、見たことがなかったよね
爽馬が狐になってる姿って
そう思った結斗は彼に触発されたのか、ポカンとする市河の隣で不敵に微笑んでこう言った
「いっちー、申し訳ないけど俺も行かせてもらうよ」



