「ママあれ買ってー」

「浴衣可愛いーー!」

「次射的いこー」


午後4時10分

さらに祭りは多くの人で賑わい、屋台や人々は活気に溢れていた


そんな人混みを通りながら結斗が言う


「はぐれないようにね、いっちー?」

「おお、どっちかといえばはぐれて困るのお前らな」

「僕たちとちがって君は変化型じゃやないんだし、何かあったらその能力(透視)で探し出してよ」


しれっという爽馬に市河は「簡単に言いやがって」とぼやく

彼らは既に何を買おうかなんて呑気に話しているし


なんだかんだいって景含めこの寮で一番マトモなのは俺なんじゃないか......(正解)

などと思いながら、市河はツカツカと歩みを進める


そのときだった


「あぁいたヒナ!」

「ちょっとどこにいたの日向くん!ってかだだだ誰よその人たち!?」

「さっき知らない女の子といたじゃない!!」

「てかその子と麻依はー?」


またもや麻依の友人たちに出会ってしまった


ああ出た

思い切りそう顔に書きながら市河は無表情で歩みを止めると、たちまち彼は彼らに周りを囲まれてしまう


その様子を、面白いものを見るような目で結斗と爽馬は眺めていた