なかなか様になっているその姿に、市河がニヤリと笑って彼に問う

「おーいいね、何狙い?」

「ん......あのブタの人形」

「良い、可愛い!あのブタ、結斗ならいける!」

「何それ景......」


その景の声援を力にしたように、結斗の放った弾は何かに当たった


かんっと音を立てて、箱が棚から落ちる

どうやらブタの人形の横に置いてある箱に当たったようだ


「残念、外れかな」

結斗は顔色少し変えず、肩をすくめて景に笑いかける

「惜しかったね」


店の主人は落ちた箱と、その上に乗っていたものを取り上げると、ヒョイと結斗に手渡した

「おめでとさん。髪飾りだね、君は付けれないだろうから、横にいるお嬢ちゃんにでもあげな」

「ありがとうございます。そうですね。景ちゃんこっち向いて」


結斗は受け取ったばかりの花の髪飾りを景のこめかみ部分に当てると、似合う似合う、と満足そうに頷いた


「いいの?付けないの?」

「あはは、え?俺がつけるのはちょっと......」


そう言って髪飾りを景に付ける結斗


その様子を見ながら、市河が「景もすごかったけど、こっちの射的能力の方が格段に高い気がする......」とぼやいている