彼らが市河の姉に連れられて入ったのは、ちゃぶ台とテレビが置かれた和室だった


リビング、ではなく、和室の場合は居間と呼ぶのだろうか


陽の光が障子を透けて差し込んでいる

生活感のある落ち着いた雰囲気のその部屋には、もう一人女性がテレビを見ながらくつろいでいるところだった


きっと、今まで市河の姉もこの部屋にいたのだろう


彼女は市河の姉がぞろぞろ連れてきた客人の気配に気づくと、テレビから目線を離して景たちを見上げた


「おーっ、日向久しぶりー。結局来たん?お友達も連れて」

「おー久々。この3人は同じ寮の友達」


市河はペコりと頭を下げながらその女性に挨拶する

すると彼女は興味深そうに景たちを見てから、そそくさと部屋の隅へ移動した


「ごめんごめん、みんなどうぞ座って座って!」

「そーそー、ほら日向、座布団とって」


気を使ってスペースを開けてくれた女性に景たちはお礼を言って座ると、市河の姉たちはこちらを見て感嘆の声を漏らした