するとその時


駆け足でまた一人、男子生徒が5組に入って結斗の前で足を止めた


「市河生徒会長......」

ずっと走って来たのか、会長は肩で息をしながら言う


「皆、行くなら行くって言ってくれれば、僕も一緒に謝るのに」


少し嬉しそうに言った会長に、生徒会役員たちは少し困惑したように首を振った


「それじゃ意味ないですよ。会長は謝りました。今度謝るのは俺らの番なんですから」


「そんなことないよ。僕はいつでも皆と同等でありたい、仲間はずれにしないで欲しいな。伊吹くん、僕からも皆と一緒にもう一度謝りたい、申し訳なかった」


そう言って頭を下げる生徒会長に、結斗はもう一度あの時と同じ感情を抱いた


この人の後を追いかけたい


この人がやろうとしてたことを、自分がやり遂げたい



その思いは増すばかりで



“結斗は、生徒会長の話を生徒会役員の誰よりも理解したんじゃないかなって思ったの”


結斗は立ち上がってこう言った


「俺を生徒会に入れてください」


と。