結斗は目の前に立つ生徒会を見上げながら、微かに唇を震わせた
行きなり教室に来て、まだしつこく来るのかと一瞬絶望したが
思いもよらず誠実に謝罪されてしまった
もちろん嬉しくはある
しかしそれと同時に、今まで抑えられていたはずの、とてもとても小さいはずだった思いが
本当は大きかったことを主張するかのように出て来てしまったのだ
生徒会に入りたい
入って、この生徒会を変えたい
そんな思いが出て来たことに、戸惑いを隠せずに結斗は何も言えず黙っていた
“私、伊吹生徒会長も興味あるよ”
生徒会に行ったあの日
景に言われた言葉が頭をよぎる
こう言われて自分は......
“でもあの生徒会はね〜、さすがに俺も入りたくないかな。礼儀知らずな生徒会を叩き直そうと思うほど、俺も人が良くないからね”
そんな言葉でかわしたはずだった
景に見透かされていたその気持ちを、自分すら騙して隠していたのかもしれない
もう以前の生徒会とは変わりつつあるのを目の当たりにして
あの言い訳は通用しなくなってしまった