この人......
かなり怒ってる
イライラの矛先がたまたま俺に向かってるかのようで......
多分とりあえず何かに怒りたいんだ......
市河がキッとヤナオカを睨むと、ヤナオカは市河の胸ぐらを掴む手に一層力を込めて、「お前なんかに何がわかる」と呟いた
痛い......!
あんたの気持ちなんて知ったことねぇ......って言いたいところだけど......
俺にだって分かってるわ
お前らが魔術科のために必死になってることくらい
そうは思いも、それを言ったところで偉そうに聞こえるだけだろう
まずい......
周りの生徒がこちらに注目し始めている
風紀を破った男子生徒に、生徒会役員が注意してるように見えてるのかもしれないけど......
ここは謝って穏便に済ますか......?
でも俺は悪いことはしてねぇし......
さて、どうすっかな
市河は目の前のヤナオカを見てゴクリと唾を飲み込んだ