「でもね笠上さん」

「......え?」

「あまり、生徒会の子達を悪く言わないであげてね。

私がかつて生徒会役員だったから言ってるんじゃなくて。教師として仕事してると、あの子たちが頑張って活動してる姿をよく見るから」


「......はい、わかってます」


珍しくマナの口から出る擁護の言葉に驚きながらも、景は頷いた


生徒会長だけでなく、斎藤先生にまで同じことを言われちゃったな......



景がそんなことを考えていると、少ししんみりした空気を改めるように、テーブルに手をついて咲夜が立ち上がった


「景、お前がそこまで気にしなくても大丈夫!だから、今は忘れて乾杯しよーぜ」


咲夜の隣に座る爽馬も頷きながら、景にコーラの入ったグラスを差し出す


「食べよ」

「ありがと......爽馬......。そうだね、食べよっか」


皆が手元のグラスを手に取り咲夜を見ると、咲夜が「よし」と頷いてグラスを掲げた


「それじゃ、迅速果敢な俺らに」

「「乾杯!!」」




咲夜の掛け声とともに


男子寮Bにグラスの硬い音が響いた