学校だけじゃない。学校の外、つまり社会で大人たちが魔術と妖術を区別して、お互いに相容れない関係を作っているんだ。

この学校では、妖術系統の一般生徒と魔術系統の一般生徒が目に見えて対立しているわけではない............

でも、それでもどこかお互いを区別して生活しているのは......生徒会役員たちが協力できずにいるのは、僕はこの社会に問題があると思っている。

だから、そんな社会を変えなくてはならない。その一歩として僕は、この生徒会を変えたいと心から思った。魔術科も妖術科も協力し合える生徒会を作れば、学校の雰囲気だって変わると思った。
だからさっきの布川くんの言葉、とても嬉しかったよ。ありがとう。


......なのに、一年間生徒会長をやってきた僕には、それが出来なかった。

だから今回、魔術科役員たちが君たちにしてしまったことを僕から謝らせてほしいと思い、先程頭を下げさせてもらった。

もう君たちに迷惑はかけない。次何かあった時は、校長に告発してもらって構わない。そうなる前に必ず、僕が止める」


強い決心を持った会長の瞳が結斗の瞳を射抜いたように、結斗は動かなかった

妖術科、魔術科役員の生徒たちは決まりが悪そうに俯いたり、会長を見つめたりしている


彼らは会長の言葉をどう受け止めたのだろうか


でもきっと......彼らは会長の思いを理解しただろう......

バツが悪そうな顔がその証拠だ


景はそう思いながら少し微笑んで結斗を見つめた