「かっこいいことしてくれるよね......咲夜」

隣に来た結斗は前方の咲夜を見つめたまま、耳打ちした


「うん......でも知ってたよ。咲夜は実は、いつもよく周りを見てるよね。誰かさんたちが喧嘩しそうになったら、何でもないように明るく間に入って、どうでもいい話をするの。そしたら皆が笑顔になってるんだよね。いつもかっこいいと思って見てたんだ」


そんな景の言葉に結斗は微笑み、爽馬は小さく頷きながら呟いた


「咲夜がいなかったらきっと、僕は男子寮Bで誰と関わる気も無かった」

「爽馬......」

「俺も......気に食わないお前らと楽しそうに話してるアイツ見てて、お前らと話す気になったような気が」

「ライ……そうだね」


四人で嬉しそうにひそひそ話していると、「恥ずかしいこと言ってんなそこ!」という咲夜の声が聞こえ、思わず四人は吹き出した


「あははっ」

「仲が良いんだね、男子寮Bは」


そんな景たちを見て、嬉しそうに生徒会長が言う


彼のその瞳が、何だかとても尊いものを写しているように優しく

まるで......泣きそうな眼差しで......


生徒会長は声をかすれさせながら思いを吐露していった

「魔術科と妖術科なんて関係ない。君たち男子寮Bのように......いつになったら皆が仲良くなれるんだろうね。

おかしいと思わないか?どうしてこの学校で、魔術科と妖術科は同じクラスにはなれない?ましてや魔術科と妖術科の教室の間には大きな吹き抜けがあって、まるでそれを境界線のように捉えている者もいる。