「いっちーー」
そのころ咲夜と爽馬は、同じクラスの男子生徒、市河に声をかけていた
「んあ?」
廊下で二人の前方を歩いていた市河は、ポケットに手を突っ込んだまま後ろを向く
「どした?」
「実はお願いがあってさー」
市河は、そう言いながら近づいてくる咲夜と爽馬を交互にみてから首を傾げた
「お願い?」
「そ、実は市河兄に伝えてほしいことがあって......」
咲夜の言葉を聞いた市河は、少し驚いたような顔をした
「兄貴に?」
彼、市河の兄
つまりこの学校の生徒会長だ
「そう。明日の昼休み、男子寮Bのメンバー全員で生徒会室に伺うから、全生徒会役員を生徒会室に集めといてって、伝えて欲しい」
珍しく真顔で言う咲夜と、いつも通り真顔で横に立つ爽馬を見ながら、市河は大きくため息をついた
「好きだねぇ〜」
「好きじゃねぇよ」
よく分からないが一人感心する市河は、うんうんと頷きながらスマホをポケットから取り出し弄りはじめた
「おっけ、伝えとくわ」
「悪いな」
「いいよ。まぁ向こうに無理って言われたらドンマイだけど」



