翌日の放課後
景は学科授業に行く前の鈴菜と教室で話をしていた
「そっか……明日、男子寮Bの人たちと生徒会室に……止めはしないけど、気を付けて行きや?」
実際、景が魔術科の生徒会役員に囲まれた出来事を知る鈴菜は、どこか心配そうに言った
「うん……!ありがとう」
申し訳なさそうにお礼を述べる景に、鈴菜は優しく微笑む
「火野ライに、景になんかあったら分かってるよな?って伝えといて」
「……う、うん?あはは」
景は鈴菜を見ながら、思い返してみるとここ随分、鈴菜がライと話しているところを見ていないことに気が付いた
まだ入学したばかりの頃に起こったあの事件が原因だ
「あれから本当に、ライと鈴菜ちゃんは話さなくなっちゃったね」
寂しそうに呟く景に、鈴菜は「そうやな~」とのん気そうに笑う
「ねえ、もう有姫ちゃんたちだって、鈴菜ちゃんがライと話しても嫌がらせなんてしないだろうし、そんなにライから離れることもないんじゃ?」
そう言う景に鈴菜は首を振った
「うちはそもそも嫌がらせとか、そんなちっさな事は気にしてへんよ。別意図的に火野ライを避けようとしてるわけでもないって」
「そ……そう?」
あまり納得していない様子の景に、鈴菜は大きく頷いた
「そっ、それにもう、うちの役目は終わったからさっ」
「鈴菜ちゃんの……役目……?」
それって……
景は儚そうに笑う鈴菜を見ながら、開きかけた口を閉じた
誰にだって、触れてほしくないことくらいあるよね
自分だってそうだもん……



