その日の夜


皆で夕飯を食べ終え片付けも一通り終わり、時計の針は夜8時半を指していた


「じゃあ私、そろそろ女子寮に帰るね」


今日の寮母のお仕事はおしまい

後は、日替わりで男子寮Bを担当してくれるベテラン寮母さんに全てお任せだ


「あー、景お疲れ」

「おやすみ、景」


たまたま共同リビングでくつろいでいた咲夜と爽馬と挨拶を交わし、景はリュックを肩にかけるとパタパタと玄関へ歩いた


2人が最近親友のような関係に見えるのは自分だけだろうか

もちろんライや結斗とも仲は良いんだけれど......

寮の生徒が仲が良いって、すごい嬉しいよね......!


景がそんな事を考えながら玄関のドアの部に手を掛けた時、後ろから声が聞こえた


「景ちゃん!」



見えていなくても声で分かる

景は声の主、結斗を

「どうしたの?」


と振り返った