「伊吹グループは口にはしないけど、妖術系統の一族を差別化して見ているんだ」
「さ......差別化......?」
思いもよらなかった言葉に景が呟き、他の3人が微かに表情を変えるのを見た結斗はこくり頷いた
「そう、伊吹グループは妖術系統が経営する会社とは関わらず、むしろ敵対してる。だから咲夜や爽馬には馴染みの無い会社ってわけ」
そういう......ことだったんだ......
景は結斗から視線をそらして少し俯くと、なんかそれって、すごく悲しいことだよなぁ......と心の中で呟く
「......なるほどな」
呆れたような顔で頷く咲夜
爽馬は黙ってただ結斗を見ていた
悪いのは結斗ではないけれど自分たち妖術系統が差別されていると知って、内心複雑なことだろう
「妖術系統の会社を差別するのは何故だ?お前らの会社は、差別することと利益を生むことだったら、差別に重きを置いてんのかよ」
ライが馬鹿にしたようにもっともな指摘をするが、結斗がどうこう出来ることではあるまい
「そうだね......きっと大人には子供が理解できないような複雑な何かが色々あるんだよ」
景が苦笑いしながらライをなだめると、それに結斗がクスリと笑った
「本当に......理解できないし、大人になっても理解したくもないよね」
そう言って表情を柔らかくした結斗に、爽馬がいつも通りの無表情で口を開いた
「でも君は将来、伊吹グループの後を継いだり、主翼として働くんでしょう?いつかは自分の意見を押し殺さないと、例え君の方が正しくても伊吹グループを壊すことになっちゃうよね。それか大人になれば、自然と考えも変わるのかもしれないけど」



