伊吹グループの......息子......
景は頭の中で、結斗の言葉を反芻した
伊吹グループといえば、貿易業において幅広く活躍している企業だ
しかし、それなりに大きい企業ではあるが、全国民に名が知れているわけでは無い
景が伊吹グループを知っているのは、息吹グループが海外にいる特殊能力保持者との貿易に特化したグループだったからだ
この学校も、海外の魔術妖術学校との取引には、伊吹グループを使っているだろう
「なるほどな」
ライが納得したようにボソリと呟いた
「あの会社はお前らヴァンパイア一族がやってんのか」
結斗の一言で色々と理解したライに、結斗は不敵に微笑んだ
「そ、世界にいるヴァンパイア皆が俺らの一族ってわけじゃないけど、ヴァンパイアは比較的世界各国にいるから、それを生かした事業を展開してるってわけ」
「な......なるほどねぇ。伊吹グループってヴァンパイアのグループだったんだね」
「そうなんだよ。景ちゃんもうちの会社は知ってた?」
いきなりおどけたような明るい口調になってニコリと頷く結斗
「うん」
ライは今まで驚いたままだった顔をくしゃりと崩して苦笑いする
「俺の親も仕事では伊吹グループとかかわりがあるみてーだったけど、お前の家とはな」
「へぇ、ご贔屓に」



