そのころ


ライは学校の裏庭のベンチに寝転がっていた


波屋有姫が景と仲良くなってから、クラスの女子は自分や景に対して前ほど騒がなくなった

だからわざわざ人のいないところを探すことも少なくなった


しかし、誰もいないポカポカした空間で寝ると言うのはまた別格だ


そんなことを考えていると、頭上から女の人の声がした


「気持ち良さそうに寝てるわね〜、毎年ここの裏庭を気に入る生徒がいるのよね〜」


パチリと目をあけると

自分を覗き込む女の人の顔



歳は40歳くらいだろうか?
彼女はにこりと笑うと、


「火野ライ君ね?はじめまして、笠上景の母です」


と、自己紹介をした