爽馬はどういう心境で生徒会長の言葉を聞いていたのだろうか


ここが生徒会室だなんて関係ない


咲夜は爽馬を追い、乱暴に扉を開けて生徒会室を出た


「待て爽馬」


廊下で後ろ姿の爽馬に慌てて声を掛けると、彼は無表情で振り返った


「お、お前さ......」


爽馬はいつだってポーカーフェイスで

涼しい顔をしていて、そして冷静だ



でも心の中はそうじゃないだろう?

「あんな話すら、まぁそうですね、で片付けるのかよ」


咲夜は声を微かに震わせながら言った

静かに怒っていた


「何かさぁ......お前の全部一人でなんとかしようとするところ、景よりタチ悪いわ」


爽馬は案の定反論せず黙ってこちらを見ているだけで、動かない

水に濡れた硝子のような目でじっと見られ

じっとしてないで何か言えよ......

咲夜がそう思った時


爽馬が呟いた

「僕は......怒ってるんだ。学校を出て行くか、行かないかの決断は自分でしたいに決まってるでしょう。

だから、子供の力じゃどうにもならないことを悩んでいたのに、お前は本当に学校を出たいのか......って」