咲夜は市河の説明を、腕を組みながら怪訝な顔で聞いていた


と、いうことは結斗のヴァンパイア一族はおそらく巨大であり、権力や実権などを握っているということだろう


だから結斗は生徒会にとって格好のターゲットで......


「どう思うよ、爽馬」


市河の話の途中で咲夜は爽馬にそう聞くと、爽馬は眈々と喋り出した


「生徒会がただの馬鹿で呆れたけど安心したよ。そこからの話の展開もだいたい予想できる。

恐らく魔術科生徒会役員の誰かが次期生徒会役員候補として結斗の名前を挙げた際に、女子の役員がこぞって賛成したんでしょう」


市河は爽馬の予想に大きく頷くと、そーなんだよなぁ......と困ったように頭をかいた


「そんで魔術科生徒会役員たちがしつこく伊吹結斗に勧誘してんのを、兄貴や妖術科生徒会役員たちで、幾ら何でもやりすぎだって怒ったんだと。

そしたらアイツら本人がダメなら周りからっつーことで、お宅の寮母さんから攻めてみることにしたらしくてさ」


何も悪くない市河が申し訳なさそうに言うのを聞き

咲夜は「ありがとな、教えてくれて」と礼を述べた


「ああ、まぁ、これは兄貴にお前らに伝えて欲しいって言われたんだ。こっちで解決出来なくて申し訳ない、寮母さんに何かある前に男子寮Bの君たちに知っておいて欲しいってさ」



そう、市河が言った時だった