「はぁ!?バカお前それを早く言え!」


1組の教室の後ろ

咲夜は市河の話を聞き始めてすぐ、つい大きい声を出してしまった


「気持ちはわかるけど落ち着きなよね」

そんな咲夜を、爽馬がたしなめる


「だって爽馬、なんで関係ねぇ景まで生徒会に追われなきゃなんねーの。どーゆーことだよ市河」


景がやっと男子寮Bに戻ってきたと思ったら

一難去ってまた一難


自分の話の初っ端から、少しイライラしはじめた咲夜と爽馬を苦笑いで見ながら、市河は話を続けた


「というのも、実は俺の兄貴がこの学校の生徒会長でさ」


「......お前の兄貴が!?」


「ああ。あの、いや、だからって兄貴は悪くないんだ!身内だから庇ってるとかでもなくて!」


市河は焦ったように首をふりながら、更に話を続ける


「この学校の生徒会って、妖術科10人と、魔術科10人で構成されてんだよ。

でもそれがまた仲悪いっつーか。まぁ今のところ、魔術科は妖術科の生徒が生徒会長やってんのが、最大に気に食わないわけだ。

それで魔術科生徒会役員が考えたのが、後ろ盾、つまりバックアップ強化。

家や一族が大きくて、親が権力をもっている生徒を生徒会に入れようと、今躍起になってるってわけ」