私……そんなつもりなかったのに、つい
思わず抱きついてしまうなんて
とんだ失態だ
しかもライは半そでのロゴ入りTシャツを着て、スウェットパンツを履いているだけ
彼の肌に触れてしまったことが、とてもくすぐったい
景は慌てて涙をぬぐうと、二コリと笑顔を作った
「でももう大丈夫。雷が怖かっただけだから」
無意識のうちに毛布を強く握りしめる景
ライはそんな景を見てため息をつきながら、ベッドに座る彼女の前に膝をついた
「雷が怖い……か。俺は雷属性の魔法使いだけどな」
「あ……いや、怖いのは空に響く雷で、その、」
慌てて訂正しようとする景に
ライは髪をかき上げながら苦笑する
「まぁいい。それより、もうそろそろ寝たほうがいいだろ。お前は今日疲れたはずだ」
「うん、そうだね」
「寝れるか?」
優しい声でライに聞かれ
景は少しドキリとする
そして、頷けなかった
ここで頷いたら、きっと今日は一人で眠れない夜を過ごすことになるだろう
子供じゃないんだから一人で寝ないと、とは思うのに
そんなことを考えていると、ライは立ち上がってドア横の電気を消した
「えっ?」
そして、景のいるベッドに上がり込んで
毛布の中に入ってきた



