プルルルルル......


「あら、電話ね」

「ほんとだ、ママ!!電話!!!」


電話が鳴ったとき、

私は他の寮母たちと一緒に休憩室でお茶をすすっていた


もう女子寮の生徒たちが皆、夕飯を食べ終えた後だった


「はいはい......もしもし?」

ママが慌ただしく受話器を取る

そして、すぐに顔を曇らせ「え?」と呟いた


何があったんだろう?


私や他の寮母もママの方を見る


「はい、はい。でも......どうすることもできないですよ......いや......困りましたね。でも、はい、分かりました」


ママは明らかに嫌そうな対応をしたのち、受話器を置いた


「なにかあったの?ママ」


心配そうに首を傾げた私に、ママは困ったような顔をして言う

「......実はね、男子寮Bに食べる物が何もなくて、Bの子達、お昼から何も食べてないみたいなの」

え............!?

「あらあらあら、なんでまた今更」

「いやっ、困ったよそれは」


寮母たちが顔を見合わせる中、私はただただ黙っていた


「それと、タオルが足りないとか言ってたから、あの子たち濡れてたりするのかしらね?」


......!?



「タオルが......足りない?」


手を握りしめ、
私は震える声で呟いた


「って、斎藤先生が電話で言ってたわ。どうすることもできないって言ったけど、可哀想よねBの子達」