春の日差し

チラリ、と教室を伺う。



すると、悲劇と呼ぶべきか、相手もこちらに気づいてしまった。



「・・・・・・・・・・・・彩芽、か?」



聞き覚えのある声に、思わず体がほぐれる。



しかし、相手を視界で捉えると、急に体がこわばった。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハルヒ」



言葉に詰まった。



しかし、何かしゃべろう、話そう。



そう思って、出てきた言葉が、『ハルヒ』だった。



体の底から出てきた掠れた声は、まるで病人のようだった。




「なーに緊張してんだよー」



ハルヒはうはは、と笑うと私に近づいてきた。



まずい。



喉の奥に、ナニカこみ上げてくるものがある。



精一杯、蓋をして、隠してきたナニカ。