「Sakuさん!」 先輩の朔斗を呼ぶ甘ったるい声が聞こえるたびに、ここから離れたくなる。 けど、雑用だから離れられない。 「葵ちゃーん!飲み物もってきてくれない?」 「はい!」 って… 百合先輩!!? 私は顔に出さないように、笑顔で飲み物を持っていった。 「百合先輩、どうぞ。」 「有難う、葵ちゃん。」 そう言って飲み物を受け取り、朔斗に渡す。 朔斗は一瞬、慌てた表情を見せたけど、直ぐに営業用スマイルに戻る。