奇跡の歌姫【上】




涙で鍵盤が見えないけど。



指は場所をちゃんと覚えていて。



あれだけ心配していたけれど、昔弾き続けたこの曲を体は覚えていた。



ブランクも何も感じないほど、指が動いた。