奇跡の歌姫【上】





「…昨日の相手さ、俺の兄ちゃんの学校だったんだよ。」



輝、お兄ちゃんいたんだ。



「兄ちゃん、結構バスケの世界で有名でさ、俺の夢は兄ちゃんに少しでも近付くことだった。
でも…昨日の試合で、自分を失って、俺下げられたんだよ。」



「あ、この前言ってた…あれ、お兄さんのことだったんだ。」



私が行き詰まっているときに、話してくれた話。



あれは、お兄さんについてだったんだ。