奇跡の歌姫【上】




「ダメダメだな、私。」



「何が?」



びっくりして顔を上げると、目の前には吉川君がいた。



「…どうしてここにいるの?
珍しいね、音楽室に来るなんて。」



「あー…皆が修学旅行の班分けとか決めたいから呼んで来いって。
HRだけじゃ時間足りないからさ。」